日産とホンダの経営統合で、株価は上がるのか?世界の政治リスクを考察 | イエ&ライフ

日産とホンダの経営統合で、株価は上がるのか?世界の政治リスクを考察

日産とホンダの統合のサムネ コラム

この記事では、「日産とホンダの統合で、両社はこれから生き残れるのか?そして、株価はどうなるのか?」について、考察していきたいと思います。

12月18日、日産とホンダが経営統合を協議しているとの報道が流れました。

これによって、日産の株価はストップ高し、19日木曜日の引け値は445円と、発表前から比べて30%もの上昇となりました。

 

日産の株価

 

 

その一方で、ホンダは2日間で約6%の下落となっています。

 

ホンダの株価

 

経営状態が苦しい日産をホンダが助ける形になりそうなので、財務的に苦しい日産が息を吹き返し、ホンダはメリットが見えにくいため、金だけ出ていきそうだ、という評価なのでしょう。

 

このチャンネルでは、2週間ほど前に、こちらの動画を作成しています。

 

 

内容は、世界の自動車市場が、現在どのようになっているのか?そして、日本の自動車メーカーはどうなるのか?についての考察をしています。

この動画を作るために、いろいろ調べたわけですが、現在の世界の自動車市場は、政治状況も踏まえて戦略を立てないと、マジで失敗してしまう、やばい状況にあると思いました。

 

そこで、今回は、この動画を踏まえた上で、日産とホンダが経営統合した場合に、どのような状況が待っているのか?そして、株式を保有している人は、どこに注意を向けなければいけないのか?について、考察していきたいと思います。

それでは、参りましょう。

 

1、ホンダと日産の現状

まずは、日産とホンダの現在の経営状況について、ざっと見ていきましょう。

こちらの表は、ホンダと日産の本業の利益である、営業利益の推移です。

 

ホンダと日産の営業利益

(参考:各社の決算資料)

 

ホンダは、毎年5,000億円以上の営業利益を継続的に上げている一方で、日産は2019年、20年と赤字となっており、今年の上半期も大幅な減益となっていることから、かなり浮き沈みが激しい状況となっていますね。

では、販売台数はどうなっているのでしょうか?

 

ホンダと日産の販売台数

(参考:各社の決算資料)

 

2018年以降で見てみると、2018年をピークに、減少傾向にあることがわかります。新型コロナで一気に減少してはいますが、それより以前から、販売台数の減少は始まっていたんですね。

そして、2018年時点では、日産の方が販売台数で上回っていたものの、2020年には追い抜かれ、今年上半期の実績は、いずれも実績が前年割れと、かなり厳しい状況となっていることがわかります。

 

地域別の販売台数

次に、ホンダと日産の、地域別の販売台数を見てみましょう。

 

地域別のホンダと日産の販売台数シェア

(参考:各社の決算資料)

 

ホンダも日産も、北米が最も販売台数が多い市場となっています。特にホンダは全体の5割近くを占め、日産もほぼ4割となっています。

ついで、中国などのアジア市場が、それぞれ3割弱となっており、日本での販売は2割未満となっています。

 

今回の統合によって、どちらも重要な地域は、北米とアジアということで、エリア的には重複していることがわかります。経営統合によって、販売網が広がるとか、そういうシナジーは、あまりなさそうな感じでしょうか。

 

2、各市場の現状について

ここからは、各市場についての考察をしていきます。

 

(1)先進国全体について

まずは、北米やヨーロッパ、そして日本などの先進国の自動車市場についてです。

ここまで、ホンダと日産の販売台数の推移を見てもらいましたが、2018年をピークに減少傾向にあります。

 

先進国の自動車販売台数

 

もちろん、個々のメーカーの商品戦略の影響もあるとは思いますが、そもそも、これら先進国の自動車市場は、現在縮小傾向にあります。

北米も、ヨーロッパも、日本も、新型コロナが起こった2020年を境に、大きく減少し、その後も全く回復していません。

 

アメリカでも日本でも、欧州市場でも、株式市場は最高値圏にあるため、景気が良さそうだと勘違いする人がいますが、それは一部の人たちがそう感じているだけなんですね。

 

(2)EV市場

次にEV市場について、見ていきましょう。

日経新聞などで、自動車業界についてのニュースを見ていると、EVで遅れている日本車は競争に負けそうだ、みたいな論調のものをよく見かけると思いますが、これは全くのデタラメです。

 

そもそも、EVは全く環境に良い車ではありません。

EVを製造する過程で採掘される資源や、製造の際に使用される電力などを含めた、製造から運転、そして廃車までの、すべての過程で発生するCO2を計算すると、ガソリン車よりも劣っている時期の方が多いのです。

 

マツダと國學院大学による、ガソリン車とEVのライフサイクルCO2の比較

(参考:サスティナビリティハブ)

 

こちらのグラフは、日本国内で作られたガソリン車とEVのCO2の排出量を走行距離に応じて計算したグラフになります。

製造した段階では、EVの方がCO2の排出量が多く、走行距離が10万キロを超えてきたあたりから、電気自動車の方がエコになっていきます。

 

ところが、その後にバッテリーがヘタってきたということで、16万キロの時点で交換をすると、またCO2が増えます。

しかし、スマホのバッテリーもそうですが、使っていくうちに、少しずつ充電できる電気が減っていきます。

 

EVメーカーは、8年または16万キロまでの保証をしていますが、この保証とは、新車時点の70%以上の充電量を保証するということであり、8年後には、今よりもっとマメに充電をしなければいけません。

さらに、現在のEVのバッテリーを交換すると、車種にもよりますが、100~300万円ぐらいします。

 

この論文は、マツダの商品戦略部と工学院大学の研究者のかたが、論文として発表したものになりますが、同じような内容で、スウェーデンの自動車メーカーのボルボも、自社のガソリン車のXC40よりも、同タイプのEVモデルの方が1.7倍も、製造過程でCO2を排出していると発表しています。

 

ボルボのライフサイクルCO2のXC40モデルでの比較

(参考:Life in the Fast Lane)

 

このように、ガソリン車よりも環境にやさしいというのは、全くのデタラメなEVなわけですが、そのEVを欧米の国々は、推進してきました。

 

例えば、欧州では、1台あたり、1km走行するごとに、95g以上のCO2を排出させていた企業に対して、罰金が課されています。1台あたり95ユーロなので、フォルクスワーゲンは、約130億円もの罰金を支払わされました。

 

VWが環境規制で130億円の罰金

(参考:ブルームバーグ)

 

ところが、この1km95gのCO2という基準には、製造時のCO2が含まれていないのです。

 

そのため、EVはゼロカウントになるため、例えばテスラなんかは、イタリアのフィアットグループと一緒にカウントしてもらうグループに入って、フィアットに自分たちの販売したEVで浮いた分のCO2を買い取ってもらっています。

 

テスラのカーボンクレジットビジネス

(参考:エコノミストOnline)

 

このようにして、テスラは、EVを販売し、クレジット枠をガソリン車を販売しているメーカーに売りつけることで、かなりの金額の収入を手に入れています。

2024年の第3四半期のカーボン排出枠の収入は、約1,100億円にもなっています。

 

テスラのカーボンクレジットビジネスが24年3Qで1100億円になったニュース

(参考:カーボンクレジット.com)

 

繰り返しますが、製造する時に発生したCO2は、無視されています。

なので、EVはピカピカの優等生な車だと評価されて、ガソリン車は悪者扱いなのです。

 

このような、どうしようもない法律は、欧州以外でも、アメリカのカリフォルニア州も作ってます。

ゼロエミッション車、つまり、排ガスを出さないEVの販売比率を徐々に引き上げていき、2035年には、100%までするとしています。

 

カリフォルニア州のZEV規制

(参考:日経新聞)

 

ハイブリッド車は対象外で、規制に違反すると、1台あたり2万ドル、約300万円の罰金となります。似たような制度は、イギリスでも採用されていて、2030年までに80%にまで引き上げるとしています。

 

世界的にEVの人気が凋落

しかし、今年に入ってからは、EVは世界的に人気が落ちてきていました。

補助金や各種優遇政策があったため、購入する人が増えていましたが、充電ステーションもまだ整備途中ですし、充電時間も長くて、修理やバッテリー交換に多額の費用がかかるとわかって、人気が盛り上がらなかったからです。

 

EVの販売量が低調に

(参考:日経新聞)

 

所詮は、お金持ちの街乗り用の、セカンドカー的な位置付けでしかないのです。

そして今回、アメリカ大統領選挙で、トランプ氏が当選したことで、今後のアメリカ市場は、EV補助金を撤廃することになりました。

 

トランプ政権がEV政策の廃止を検討

(参考:ロイター)

 

これによって、環境規制が厳しいカリフォルニア州などの、一部の州以外では、ガソリン車の販売が増えると予想されます。

また、トランプ氏は、カナダやメキシコに対して25%の関税を課すと発表しました。

 

トランプ氏がメキシコ、カナダへの関税を引き上げるという記事

(参考:NHK)

 

これから、詳細は詰めていくことになりそうですが、日産やホンダも、メキシコにアメリカ向けに販売する車の工場がありますので、影響が出てくるでしょう。

トランプ氏の目的は、アメリカ国内の雇用を増やすことなので、最終的には、アメリカに工場を作らなければ、コスト競争力で勝てない状況にまで追い込まれるでしょう。

 

(3)中国の安価なEVが、大量に出回っている

3つ目が、中国による、安価なEVの氾濫です。

欧州やカリフォルニアなどの、一部の意識高い系の国では、このようにEVを贔屓にすることで、エンジン車で強い日本車を排除してこようとしてきました。

 

これを真似して、さらに欧米を凌駕したのが中国です。

中国でも、EVに対する補助金や、ダブルクレジット制と呼ばれる、「ガソリン車をこれだけ売るなら、EVもこれだけ売りなさい」というルールを作ったことで、欧米と同じような規制条件を整えました。

 

また、原料の調達にも、国としても支援しています。

 

NYTimes のEVに関する記事

(参考:NY TIMES)

 

EVのバッテリーに使われる原料として、コバルトがありますが、この資源の7割以上が、アフリカのコンゴで採掘されています。

このコンゴでの採掘に、多くの中国企業が参入していたりします。

 

EVで必要とされるバッテリーの製造の4分の3が、中国です。

その原料であるコバルトの採掘企業の4割以上、バッテリーに使われる電極の8~9割、組み立ての7割近くが中国製であり、コスト競争力が半端ないんですね。

 

そのため、だいたい300万円ぐらいで、売れ筋のEVを作ることができています。日産のリーフは、現行モデルでも400~500万円してしまいますから、太刀打ちできません。

さらに、中国は、人件費が安いですし、部品工場も豊富にありますので、欧米よりも安くEVを作ることができます。

 

その結果、中国はEVが最も売れる国となりました。2023年は約670万台ものEVが販売されています。

 

BYDの2023年のEV販売台数が300万台を突破

(参考:BBC)

 

特にBYDは、EVの売り上げでテスラを超え、昨年は300万台を販売しています。

ただし、海外への輸出については、このように価格競争力があるため、BYDなどは利益を出していますが、それ以外の中国のEVメーカーは、ほとんどが赤字で破綻する会社が続出しています。

 

中国の昨年の自動車販売台数は、3,000万台を超えました。

 

中国の自動車販売台数

(参考:ジェトロ)

 

前年比で10%以上の増加となっているのですが、不動産バブルが弾けて大変なのに、販売台数が1割以上も増えているのは、安売り合戦が起こっているためです。

「中国EV 破綻」で検索してみると、日本語の記事だけでも、こんな感じで、何社も経営破綻しているニュースを簡単に見つけることができます。

 

中国EVメーカーの破綻ニュース

 

このことからも、あまりに作りすぎたため、海外に販路を持っていない中国メーカーが、国内で何がなんでも売ろうとして安売りを行っているのでしょう。

 

今年に入って、トヨタやホンダ、日産も中国市場では販売不振に陥っていますが、それは、このような安売りEVが増えているため、相対的に価格が高く見えてしまう日本車は、売れにくくなっていると考えられます。

 

現在の自動車メーカーは、政治に振り回されすぎている

と、ここまで、世界の自動車市場の動きを見てきました。

日産の経営不信を自業自得と非難する人もいますが、私個人としては、むしろ、現在の頭のいかれた環境政策をゴリ押ししようとする、世界各国の政治家や環境活動家などの方が、酷いと思ってしまいます。

 

大統領選挙でトランプ氏が当選するまでは、先進国は明らかにEVしか売れないように、締め付けてきました。

そのため、日本の自動車メーカーも、EVへと舵を切らざるを得ない状況にあったわけですが、トランプ氏が当選したことで、ガソリン車が有利な状況になっていきます。

 

しかし、仮に4年後の選挙で、民主党が勝てば、またEVの規制が強まっていくでしょう。

4年後の大統領選挙でどちらが勝つかなんて、誰にも予想ができませんから、最悪な場合に備えて、EVの開発を続けざるを得ない、というのが、ホンダや日産を含めた、日本メーカーの置かれた状況といえます。

 

今のところ、政治リスクが小さいのは、トヨタとスズキ

このような欧米の狂ったEV政策とも共存しつつ、利益を出していくには、トヨタのように、欧米だけでなく、全世界を相手に、バランスよく商売をするか、スズキのようにインドなどの新興国で勝負するしかありません。

 

実際、トヨタのアメリカでの販売台数は全体の約3割で、スズキは全くありません。なので、EVの影響を比較的受けにくい状況にあるんですね。

では、日産とホンダの統合は、どちらの方向なのかといえば、もちろん、トヨタを追いかけるつもりでしょう。

 

日産は、EV技術で先行していますが、業績は悪化しています。

ホンダは、EVにあまり入れ込んでこなかったため、業績は安定していますが、いつまたアメリカがEV推しになるのか分かりませんので、EVの開発も進めなければいけないのです。

 

なので、本音としては、日産もホンダも、「EVの環境性能なんて、ちっとも良くないのに、こんなことをしなきゃいけないなんて、面倒くせえなあ」と思っているのではないでしょうか。

 

日本のオールドメディアは、日本の自動車メーカーを目の敵にしている

こんな面倒な状況にしているのは、欧米の頭の悪い政治家や官僚、そして、これらを後押しした学者などの専門家や、それを煽った新聞やテレビなどのオールドメディアです。

そのためか、面白いことに、自動車メーカーは、これらのオールドメディアへの広告出稿をどんどん減らしています。

 

オールドメディアへの広告費

(参考:電通)

 

2012年から23年までの11年間で、テレビや新聞などの、オールドメディアへの広告費は、全体で2割減っていますが、自動車関連の企業は、半分以下に減らしているのです。

この減少率は、他の業界に比べて突出しており、自動車メーカーがテレビや新聞に愛想を尽かしていることがハッキリと見て取れます。

 

私は現在、新聞はとっていませんが、1月1日だけ、大手の新聞を一部購入しています。

1月1日の広告は、調子のいい業界によるご祝儀的な広告が多いため、どんな業界がこれから伸びそうなのかの目安になると、証券マン時代に教わっていたからです。

しかし、ここ数年は、自動車メーカーの広告を全く見ません。EVが正しい、日本社メーカーは、遅れているみたいな記事しか出さないため、ウゼーところに金なんか払いたくない、ということなのでしょう。

 

ただし、正確には、トヨタのトヨタイムズだけは、掲載しています。

すごい面白そうな記事の見出しなどが散りばめられており、ワクワク感が半端ないです。

 

完全に、「こんなクダラナイ新聞とか見るのをやめて、トヨタイムズをチェックしてください。面白いですよ。」と言っているようにしか見えません。

テレビが、視聴率を奪われてしまうのに、アマプラやネットフリックスに広告を出してもらうしかないような、そんな状況なんですよね。

 

3、ホンダと日産は買いなのか?

ちょっと脇道に逸れたので、本題に戻ります。

次に、投資家目線で見た場合、ホンダと日産、そして三菱自動車の統合は、買いなのか?について、考えていきたいと思います。

 

最初に結論を言うと、かなりのバクチ銘柄になりそうだ、と思っています。

理由は大きく2つあります。

 

(1)政権によって、方針がコロコロ変わる

1つ目は、政治リスクです。

これまで見てきたように、欧米や中国のEV規制は、既存のエンジン車を作るメーカーを排除しようとする動きとなっています。

 

ところが、アメリカはトランプ政権になったことで、EV規制が撤廃されます。

そして、現在、ヨーロッパで支持を伸ばしている、オールドメディアからは極右と批判されている、各国の政党においては、トランプ政権と同じように、EV規制を撤廃しようとしています。

 

例えば、フランスは7月に行われた総選挙において、マリーヌ・ルペン氏が率いる国民連合が、得票数で37%を超えてきており、あともう少しで、過半数を取るような勢いとなっています。

 

フランスのルペン氏率いる国民連合は、環境規制から脱退の意向

(参考:Yahoo News)

 

この政党は、メディアからは極右と言われて、散々悪口を言われていますが、EV規制の撤廃を公約に掲げています。

イギリスの極右政党と言われているリフォームUKも、これらの環境規制の撤廃を訴えており、今年7月の選挙でも、2%から14%へと、得票率が大きく増えています。

 

これまでも、EVの普及には多額の補助金をそれぞれの国がかけていました。補助金は税金ですから、そのお金でできた、福祉や社会インフラの整備が犠牲になったと言うことでもあります。

そして、現在のウクライナ戦争への多額の負担から、各国はもう補助金を出す余裕がなくなり、ペナルティだけ引き上げていくような状況です。

 

なので、国民の民意を考えれば、EV規制の撤廃が進みそうな感じがしますが、頭がイカれた環境主義の政治家が与党を占めていますので、本当に変わるのかどうかは微妙なところです。

もし、ヨーロッパでも、EV規制が撤廃されれば、ホンダや日産も、息を吹き返すでしょう。ですが、そうでなければ、EVとガソリン車の両立を目指す、茨の道が待っていると思われます。

 

(2)中国とのEV競争で勝てるのか?

2つ目は、中国とのEV競争です。

現在、多くのメーカーが、次世代EVの根幹技術とも言える、全固体電池の開発を進めています。

 

全固体電池は、急速充電ができて、寿命も長く、航続距離も長いという、期待されている新技術なので、これが量産化されれば、一気にEVも普及されるのではないかと期待している人は多いと思います。

トヨタや日産は、全固体電池の開発を行なっており、2027年か8年ごろには、量産化に漕ぎ着けると宣言しています。

 

ですが、それ以上に開発スピードが速そうなのが、中国です。

 

中国の全固体電池の開発計画

(参考:日経クロステック)

 

上海汽車集団や広州汽車集団などでは、2026年に量産を開始し、27年には商用生産を目指すとしています。

日本人から見れば、トヨタやホンダ、日産の車のほうが、性能も高くて、安心できると思うでしょうが、現在のEVはちょっと価格が高すぎですよね。これなら、安いガソリン車を買うよ、と言う人が大半なのではないでしょうか?

 

昨年300万台のEVを販売したBYDの売れ筋のEVは、songと呼ばれる車種で、これが300万円台前半です。

それに対して、日産のリーフは400~500万円、トヨタのbZ4Xは、600万円もしますからね。

 

EVの価格差

 

全固体電池を使うと言うことは、車の制御が全て電動化されることになりますから、必要とする電子部品の量も半端ないでしょうし、価格がガソリン車並みに落ちてくる可能性は低そうです。

 

また、中国はBRICS諸国と仲良くやっているため、コンゴ共和国でのコバルトの採掘権など、鉱山資源の共同開発がしやすいポジションにいます。

なので、どうしても、原料の調達競争では、中国よりも割高な価格で仕入れざるを得なくなりそうなので、中国との価格競争に巻き込まれた場合には、かなり苦戦するのではないかと予想されます。

 

このように、日産やホンダは、欧米各国のコロコロ変わりそうな環境規制と、中国のEV攻勢との板挟みに遭いながら、戦っていかなければいけないため、「ガソリン車で、いい車を作れば、業績が上がる」と言う、これまでの延長線上にはない銘柄になってきていると思います。

 

なので、長期的に保有ということであれば、少なくとも、アメリカと中国の環境規制については、注意を払っていく必要があるのではないでしょうか。

個人的には、こういう政治とかの影響をあまり受けなさそうな、スズキの方が安心して保有できるのではないかなと思います。

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この記事を書いた人
ゴトウ

証券会社で12年間勤務。営業と店舗マーケティングに従事後、2018年から当サイト「イエ&ライフ」を運営しています。

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