広島県の土地価格の今後の見通し | イエ&ライフ

広島県の土地価格の今後の見通し

広島県の土地価格の今後の見通し広島県

この記事では広島県の

  1. この8年間の土地価格の動き
  2. 新型コロナの影響を含め、今後どうなるのか?

の2点について解説しています。

 

2、過去8年間の広島県の土地価格の動き

広島県の住宅地は、アベノミクス以降の8年間で0.8%下落しました。

また、今年は新型コロナの影響が心配されましたが、住宅地は前年比0.4%のマイナス商業地では0.9%のマイナスでした。

それまでの上昇傾向が止まったものの、大きな影響が出ているとは言えない印象です。

 

広島県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

今度は市区町村別に、この7年間の住宅地の上昇率を見てみましょう。

 

広島県で住宅地が上昇しているのは、広島市周辺

広島県の公示地価の変化率マップ

(参考:国土交通省 地価公示)

 

ご覧のように、市区町村単位で見ると、広島市とその周辺しか上昇しておらず、東側では10%以上も下落している市も多くあります。

 

なぜ広島県では、広島市の周辺しか上がらないのか?

理由は大きく3つあります。

 

①金利が低下した

そもそも、全国的に土地価格が上昇してきたのは、金利の低下によるものです。

ご覧のように、2013年4月以降、日銀が国債を買い占める、異次元緩和政策を行うことで、金利を下げてきました。

 

日銀が国債を買い占めて、金利を下げた

異次元緩和政策と住宅ローン金利

(参考:ARUHI住宅ローン フラット35金利の推移 財務省 国債金利情報)

 

ザックリ言うと、この8年間で買い手は、同じ返済額で2割高い物件を買えるようになったということです。

例えば、フラット35で期間35年・月々の返済額が10.4万円とした場合、購入できる不動産は3,000万円から3,500万円まで上がったのです。

 

同じ返済額で購入できる物件価格が2割上昇した

 

月々の支払額は増やさずに、約2割高い物件を買える。しかもその物件が人気化しているとなれば、値段が高くても買おうとする人は増えますよね。

そのため、人気のエリアほど、土地価格が上昇してきたのです。

 

 

②人口が減少している

ところが、広島県内の多くの市町村では下落しています。

最も大きな理由は、人口の減少です。

 

広島県の人口は、この7年間で約4.6万人も減っているのです。住宅の買い手が減れば、土地価格も下落しやすくなります。

 

広島県の人口推移

(参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)

 

さらに、家を購入する中心年代である30〜40代の人口も、7年間で約3.8万人も減っていました。

 

広島県の30〜40代人口の推移

(参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)

 

では、市区町村別に見ると、どこが減っているのでしょうか?

 

市区町村別の人口の変化(2013〜2020年)

増減数:赤色(+1万人以上)>オレンジ色(+5,000〜9,999人)>緑色(+1〜4,999人)>青色の↙️(−1〜4,999人)>紫色の↙️(−5,000人以上)

(参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)

 

ご覧の通り、広島市への一極集中が進んでいますね。

周辺の市で増えているのは、東広島市や海田町ぐらいで、呉市や福山市などの大都市でも大きく減少していました。

 

そのため、人口が減少しているエリアでは、買い手が減っているため、土地価格が下がりやすくなっていたわけです。

 

③農地から宅地への転用が進んでいる

それに加えて、農地の宅地化が追い討ちをかけています。

 

実は、この10年で、広島県内の農地は、約7,200ヘクタール(ha)も減っているのです。

1haで約3,000坪ですので、30坪の戸建てに換算すると、約72万戸分の農地が住宅や、道路、工場、倉庫、ショッピングモールなどに変わっているのです。

 

広島県の農地面積

(参考:農林センサス 「2−8 経営耕地の状況」)

 

農地が残っているエリアは、駅から離れた郊外に分布していることが多いです。

さらにそこにショッピングセンターができたりすると、周辺に住みたい人が増えて、ますます古くからの住宅地の人気が下がってしまうわけです。

 

このように、広島県の土地価格は、金利低下で土地価格が上がりやすくなったものの、人口の減少や、農地の宅地化によって、古い住宅地の買い手が減ってしまい、下落するエリアばかりになっているわけですね。

 

2、これからどうなるのか?

広島県の土地価格に影響がありそうなリスクをまとめました。

 

(1)この低金利はいつまで続くのか?

そもそも、異次元緩和政策とは、国債の金利を下げるために、日銀が国債を買い占めることで実現させてきた政策でした。

そして、これ以上は、金利が下がらない水準まで来ています。

むしろ、その副作用の方が話題になることが増えました。

 

例えば、預金者のお金を国債で運用していた地銀は、この異次元緩和によって、金利が低下したことで国債からの利息が減り、半数以上が赤字になっています。

 

金利低下で、赤字の地銀がどんどん増えている

地銀の決算状況

(金融庁:地域金融の課題と競争のあり方)

 

赤字が続けばいずれ倒産してしまいますから、いつまでも続けるわけにはいきません。

また、黒田総裁の任期である2023年までに、当初の目標である「年率2%で物価を上げること」は、達成できないこともわかってきました。

(参考:NHK「日銀 黒田総裁 今の任期中に2%の物価目標 達成困難に」)

 

つまり、2013〜2023年の10年間で、

  • 株や不動産価格は上昇した
  • 当初の物価目標は達成できず
  • 副作用として、金融機関の赤字行が続出

という状況になっているわけです。

 

そのため、黒田総裁の次の方が、この政策を続ける可能性は低いのではないかと予想されます。

目的を達成できずに、銀行が潰れて混乱してしまっては、意味がありませんからね。

 

実は、すでに異次元緩和をやめる準備に入っている

とはいうものの、「異次元緩和をやめます」と発表すれば、金利が一気に上がる可能性もありますから、日銀でも慎重に進めているように見えます。

なぜかと言うと、日銀の国債を買い占めるペースが、2018年頃からすでに減らしてきているからです。

 

日銀が国債を買い占める比率を減らしている

日銀の国債買入れ比率

(参考:財務省 2021.6.24「国の債務管理の在り方に関する懇談会(参考資料2)」)

 

2021年現在、日銀が買い占めている比率は、期間1〜10年の国債(赤色の線)で約60%程度、期間10年超の国債(灰色の線)で8.7%にまで下がっています。

 

このまま、買い占める量を減らしていけば、いずれ金利も徐々に上がっていくことになります。

 

金利が上がると、同じ返済額でも買える価格が下がる

金利上昇で下落

 

なお、金利が上昇すると、住宅ローンの返済額が増えるため、不動産価格は下落していきます。

 

そのため、特に売却を検討している人は、異次元緩和で低金利が続いているうちに、準備をしておいた方がいいでしょう。

 

 

(2)これから広島県の人口はどうなるの?

国立社会保障・人口問題研究所が、今年発表した広島県の人口の見通しによると、2030年までに8.6万人減少するそうです。

 

広島県の人口は、2030年までに8.6万人減る

広島県の総人口の見通し

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)

 

また、家を買う中心年代である20〜40代も、2030年までに12.9万人減る見通しです。

 

広島県の20〜40代人口は、2030年までに12.9万人減少

広島県の20-40代人口の見通し

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)

 

家の買い手が今よりも1割減るので、これまで通りの上昇は見込めなくなるかもしれません。

 

結論:売るなら?買うなら?

というわけで、広島県の今後の土地価格についての結論は、以下の通りです。

  • 金利の低下によって、買い手の購買力が上がったため、人口が増えている広島市の周辺では上昇してきた
  • その一方で、広島市以外の多くの市町村では、人口減少が進んでおり、農地の宅地化も進んでいるため、古い住宅地の買い手が減り、土地価格の下落が進んでいる
  • 今後は若い世代の人口が減っていくため、人気の低い住宅地では注意が必要

と言えそうです。

 

買うなら:商業地の周辺は様子見、それ以外は買い

新型コロナの影響が大きい商業地の周辺では、今後も影響が出ますので、坪単価が高いと感じられる場合には、まだ様子見の方がいいでしょう。

しかし、それ以外のエリアでは今が買い時の可能性が高いと思われます。

その理由は2つあります。

 

①土地価格の下落分よりも、待っている間の家賃の方が高くつく

例えば、坪30万円ぐらいの土地であれば、40坪でも1,200万円程度で買えます。

仮に数年で1割下げたとして120万円ぐらいしか安くなりませんから、その間の家賃を考えると、早めに買った方がトクになりますよね。

 

②異次元緩和で低金利の今がチャンス

また、現在は住宅ローンがかなり安いため、月々の返済負担が軽いのもチャンスです。

ですから、もし家を買おうと思っているのならば、土地価格が下がるのを待つよりも、金利が上がる前の今のうちに買うのがベストでしょう。

 

ただし、購入を検討する場合には、今後の金利上昇を想定しておかないと大変なことになるので、「フラット35」「10年以上の固定金利」でも返済ができるかどうかで予算を考えるべきでしょう。

 

非公開物件=安い物件

不動産を売る理由はさまざまですが、「周りに知られずに売却したい」という売主は一定の割合でいます。

そのような物件は、ネット上にも出回らず「非公開物件」として登録されます。

また、売主はあまり相談する相手を広げたくないため、まずは建てたメーカーに相談する場合が多いです。

 

非公開物件の実態

 

当然、このような物件は少ないお客さんにしか目にとまる機会がないため、相場よりも価格の安い可能性が高いのです。

 

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タウンライフ家造り

 

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売るなら:金利が上がる前に売った方がいい

アベノミクス以降のこの7年間は金利の低下によって、買い手が月々の返済額を引き上げなくても値上がりした家を買える時期でした。

不動産を売るなら、金利の低い今が1番のチャンスと言えます。

 

公示地価を信じると損をする?

この記事では公示地価をもとに解説していきましたが、公示地価は「その地域の平均的な価格」なため、実際の取引ではこれ以上に高く、または安く取引されることがあります。

 

例えば、福山市内に「沖野上町(おきのがみちょう)」という、福山駅から2kmほど南に位置する住宅地があります。

 

こちらの公示地価と実際の取引を比べてみると、

  • 公示地価:24万円/坪
  • 実際の取引価格:6.9〜34万円/坪

と、公示地価の約0.3〜1.4倍で取引されていました。

取引価格同士で比べると、4.9倍の価格差があります。

 

【福山市沖野上町の公示地価】

福山市沖野上町の公示地価

  • 福山駅から2,300mの距離、徒歩約29分(1分=80m)
  • 73,500円/㎡ × 3.3(㎡/坪) =24万円/坪

(参考:国土交通省地価公示・都道府県地価調査)

 

【福山市沖野上町の土地取引(過去2年間)】

福山市沖野上町の土地取引

  • 福山駅から徒歩24〜28分のエリアで、6.9〜34万円/坪で取引されている

(参考:国土交通省 不動産取引価格情報検索)

 

このような感じで、全国の公示地価と実際の取引を調べてみたのですが、やはり公示地価と実際の取引ではかなりの価格差があることがわかりました。

 

同じ地域なのに、

「公示地価の3割増し、場合によっては2倍以上の価格で取引されている」

といった取引がゴロゴロ見つかったのです。

 

都道府県住所公示地価/坪取引価格/坪公示地価の何倍?
広島県広島市牛田早稲田40万円19〜80万円0.48〜2倍
広島県福山市沖野上町24万円6.9〜34万円0.29〜1.42倍
広島県呉市広白岳17万円7.4〜21万円0.44〜1.24倍
広島県尾道市高須町18万円18〜25万円1〜1.39倍
広島県東広島市西条町西条18万円5.3〜25万円0.29〜1.39倍
広島県廿日市市串戸42万円22〜53万円0.52〜1.26倍
広島県三原市皆実20万円16〜29万円0.8〜1.45倍
岡山県岡山市田中33万円35〜47万円1.06〜1.42倍
岡山県倉敷市大島31万円13〜35万円0.42〜1.13倍
岡山県津山市東一宮10万円4.5〜12万円0.45〜1.2倍
鳥取県鳥取市吉方温泉17万円5〜19万円0.29〜1.12倍
鳥取県米子市観音寺新町16万円15〜20万円0.94〜1.25倍
島根県松江市内中原町26万円26〜32万円1〜1.23倍
島根県出雲市塩冶町16万円12〜18万円0.75〜1.13倍
山口県下関市綾羅木南町13万円20万円1.54倍
山口県山口市小郡下郷16.5万円8.9〜19万円0.54〜1.15倍
山口県宇部市笹山町7.3万円10〜13万円1.37〜1.78倍
山口県周南市富田18万円17〜24万円0.94〜1.33倍
山口県岩国市今津町27万円22〜32万円0.81〜1.19倍
山口県防府市東仁井令町9.5万円8.5〜12万円0.89〜1.26倍

 

なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?

最も大きな理由は、不動産会社が持っている取引情報は、他社とごく一部しか共有されていないからです。

 

持っている取引情報が違うため、評価額も変わってくる

査定額が違うイメージ

 

その結果、「高く売れると考える不動産会社」と、「そこそこの価格でしか売れないと考える不動産会社」に分かれてしまうのです。

 

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