神奈川県の土地価格の今後の見通し|なぜこの8年間で上昇したのか?新型コロナの影響も解説 | イエ&ライフ

神奈川県の土地価格の今後の見通し|なぜこの8年間で上昇したのか?新型コロナの影響も解説

神奈川県の土地価格の今後の見通し|なぜこの8年間で上昇したのか?新型コロナの影響も解説神奈川県

この記事では神奈川県の

  1. この8年間の土地価格の動き
  2. 新型コロナの影響を含め、今後どうなるのか?

の2点について解説しています。

 

1、過去7年間の神奈川県の不動産の上がり方の特徴とは?

神奈川県の土地価格は、アベノミクス効果もあって、この8年間で商業地では13.7%上昇しましたが、住宅地ではわずか1.2%しか上がりませんでした。

また、コロナの影響もあり、今年の住宅地は前年比0.6%のマイナス商業地は0.1%のプラスとなっていました。

 

神奈川県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

今度は市区町村別に、住宅地の上昇率を見てみましょう。

 

神奈川県で住宅地が上昇しているエリアは、茅ヶ崎市よりも東側に集中

神奈川県の工事地下の7年間変化率マップ

(参考:国土交通省 地価公示)

 

予想通りだった人もいるかもしれませんが、都心に近い横浜市、川崎市を中心に、そこから離れるほどに上昇率も下がっていく傾向にありました。

 

なぜ神奈川県では、都心に近いエリアほど上昇しているのか?

最初に結論をまとめておきます。

  1. 金利が低下したことで、同じ返済額でより高い物件が買えるようになった
  2. 共働き世帯の増加によって、都心に近いエリアに住む人が増え、土地価格も上昇してきた
  3. その一方で、農地の宅地化が進んでいることもあって、通勤に不便な郊外の土地価格は下落傾向にある

という、都心に近いエリアとそうでないエリアとの間で、土地価格の二極化が進んでいたと考えられます。

 

では、これから1つずつ詳しく解説していきます。

 

①金利低下によって、買い手の購買力が上がった

そもそも、全国的に土地価格が上昇しているのは、金利の低下によるところが大きいです。

2013年4月から始まった日銀の異次元緩和によって、金利が大きく低下したのです。

 

住宅ローンの金利

(参考:ARUHI住宅ローン フラット35金利の推移 財務省 国債金利情報)

 

ザックリ言うと、この7年間で買い手は、同じ返済額で2割高い物件を買えるようになったということです。

例えば、フラット35で期間35年・月々の返済額が10.4万円とした場合、購入できる不動産は3,000万円から3,500万円まで上がったのです。

 

同じ返済額で購入できる物件価格が2割上昇した

 

月々の支払額は増やさずに、約2割高い物件を買える。しかもその物件が人気化しているとなれば、値段が高くても買おうとする人は増えますよね。

そのため、人気のエリアほど、土地価格が上昇してきたのです。

 

なので、そもそも神奈川県内でも、上がりやすい環境にあったのです。では、なぜ横浜や川崎などの都心に近いエリアほど、上昇率が高いのでしょうか?

 

②共働きの増加によって、職住近接の動きが進んだ

その最も大きな理由は、共働き世帯の増加です。

2013年からアベノミクス政策によって円安や株高が進んだことで、都内の大企業の業績が好調になったことで、都心で働く人が増えました。

しかも、共働き世帯の増加によって、通勤、買い物、子育てに便利な都内の駅近エリアに住む人が増えてきたのです。

 

市区町村別の人口の変化(2013〜2020年)

増減数:赤色(+1万人以上)>オレンジ色(+5,000〜9,999人)>緑色(+1〜4,999人)>青色の↙️(−1〜4,999人)>紫色の↙️(−5,000人以上)

(参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)

 

ご覧の通り、都心に近い川崎市の各区や、横浜市の鶴見区、港北区、神奈川区などで大きく人口が増加しています。

その一方で、通勤に時間がかかる横須賀市や金沢区、平塚市よりも西側の市町村では、軒並み減少傾向にありました。

 

このように、人口が増えているところほど、土地価格も上がりやすく、そうでないエリアでは下落しやすい状況になっているわけですね。

 

③農地から宅地への転用が進んでいる

また、農地の宅地化も、土地価格に影響を与えてきました。

実は、この10年で、神奈川県内の農地は、約3,000ヘクタール(ha)も減っているのです。

 

神奈川県の農地面積の推移

(参考:農林センサス 「2−8 経営耕地の状況」)

 

1haで約3,000坪ですので、30坪の戸建てに換算すると、約30万戸分の農地が住宅や、道路、工場、倉庫、ショッピングモールなどに変わっているのです。

 

農地の宅地化によって、今ある住宅地の人気が低下

農地の宅地化

 

農地が残っているエリアは、駅から離れた郊外に分布していることが多いです。

 

そのような農地が宅地化されると、数十戸単位の新しい街並みになるため、人気が集中する反面、それ以外の古い住宅地の需要が減ります。

その結果、宅地化されやすい農地が残っている郊外のエリアほど、土地価格が下がりやすくなっていたわけですね。

 

新型コロナで、駅から遠い住宅地では下げる傾向

新型コロナの感染拡大によって、今年は全国的に土地価格が下落しました。

神奈川県の住宅地は、前年比0.6%のマイナスでしたが、エリアによって上昇しているところと、下落しているところとに分かれました。

 

神奈川県の住宅地のコロナによる影響(2020年→21年の変化率)

変化率:オレンジ色(+0.1〜2.9%)>緑色(変化なし)>青色の↙️(-0.1〜 -2.9%)>紫色の↙️(-3%以下)

(参考:国土交通省 「土地総合情報システム」)

 

具体的には、県の東側(茅ヶ崎市〜川崎市)の、駅から近い住宅地では上昇、または横ばいだったものの、駅から遠いエリアでは下落していました。

また、県の西側では、だいたいのエリアで下落が加速しているようです。

 

新型コロナによって、買い手が減っていることもあって、人気の低いエリアほど、下げやすくなっていたと考えられます。

 

3、これからどうなるのか?

神奈川県の土地価格に影響を与えそうなリスクをまとめました。

 

(1)この低金利はいつまで続くのか?

地域によって上がった場所、下がった場所の違いはあるものの、日銀の異次元緩和政策で生まれたこの超低金利は、土地価格を押し上げるプラス要因でした。

そして、これ以上は、金利が下がらない水準まで来ています。

むしろ、その副作用の方が話題になることが増えました。

 

例えば、預金者のお金を国債で運用していた地銀は、この異次元緩和によって、金利が低下したことで利息収入が減り、半数以上が赤字になっています。

 

赤字の地銀がどんどん増えている

地銀の決算状況

(金融庁:地域金融の課題と競争のあり方)

 

赤字が続けばいずれ倒産してしまいますから、いつまでも続けるわけにはいきません。

 

では、具体的にあとどれぐらいなのか?

2018年6月に、ブルームバーグが経済の専門家45人にアンケートをしたところ、半数以上が2〜3年以内に限界が来ると予想していました。

つまり、2020〜2021年ごろと考える専門家が半数以上もいたのです。

 

「日銀の低金利政策はいつ頃まで続きますか?(2018年6月)」

異次元緩和はいつ終わるか?

(参考:ブルームバーグ「2年以内で限界」が半数弱、現行の長短金利操作-日銀サーベイ)

 

ちなみに、長く続かないと考えられている理由は、

  • 日本の借金が1,000兆円を超えてきており、国債を買おうという投資家がいなくなるから
  • 超低金利を続けると、地銀が潰れてしまい、経済が大混乱するから

あたりでしょう。

 

金利が上昇すると、住宅ローンの返済額が増えるため、価格は確実に下がります。

 

金利が上がると、同じ返済額でも買える価格が下がる

金利上昇で下落

 

そのため、今後の経済状況次第では、金利上昇による不動産価格の下落も考えておいた方がいいでしょう。

 

 

(2)新型コロナが長期化するとどうなる?

新型コロナ以降の、神奈川県の住宅地の動向を見てみると、川崎市や茅ヶ崎市、海老名市などの一部のエリアだけ横ばいだった以外は、ほとんどの市でマイナスとなっていました。

特に都心から離れたエリアや、沿岸部で下落率が大きくなっています。

 

川崎市、茅ヶ崎市、海老名市を除いて、前年比マイナス

神奈川県の公示地価の前年比変化率

(参考:国土交通省 地価公示)

 

新型コロナで買い手が減少していることから、これまで人気が低かったエリアほど影響を受けていると考えられます。

そして、今後も収束までに時間がかかるのであれば、さらに買い手は減っていきますので、都心や駅から遠いエリアほど、影響が大きくなっていくでしょう。

 

 

(3)2022年問題で、都市の農地が宅地になる

2022年問題をご存知でしょうか?

「都市部にある税金を優遇されていた農地(生産緑地)が、優遇期間が切れることで宅地として放出され、土地価格に影響を与える」

という問題です。

 

生産緑地

(出典:ウィキペディア cory.2005.Seisan Ryokuchi)

 

では、神奈川県ではどうなっているのか?

市区町村別に色分けしてみました。

 

神奈川の生産緑地の分布図:都心に近いエリアほど多く残っている傾向

神奈川県の生産緑地

(参考:国土交通省 都市計画区域、市街化区域、地域地区の決定状況)

 

ご覧のように、横浜市、川崎市、相模原市といった都心に近いエリアを中心に多くの生産緑地が残っていました。

 

特に横浜市は全国でも有数の生産緑地が残っているエリアなため、影響は大きいでしょう。

 

生産緑地ランキング

 

 

この問題で影響を受けるのは、駅から少し離れた郊外のエリアでしょう。

駅前の農地はほとんど宅地に変わっていますし、郊外に残っているケースが大半だからです。

郊外の土地への需要は、これまでずっと減り続けてきましたが、さらに追い討ちを受けるになりそうです。

 

今後、戸建てを買おうと計画しているのであれば、2022年以降にお宝物件が見つかるかもしれませんね。

 

4、神奈川でこれから上がりそうな地域は?

この1年間は、新型コロナの影響もあって、幅広いエリアで土地価格の下落が起こりましたが、逆に上昇している地区もいくつかありました。

新型コロナの収束まで時間がかかりそうですし、この1年間に起こった動きは、まだまだ続きそうですよね。

 

先ほどご紹介した、1年間の変化率マップを参考にしてみると、やはり駅近エリアの住宅地では人気は継続しそうです。

具体的には、

  • 横浜、川崎の鉄道沿線のエリア
  • 他の市については、人気のある駅周辺の住宅地(橋本駅、相模大野駅、海老名駅、本厚木駅、大船駅、茅ヶ崎駅、逗子駅など)

あたりですね。

 

正社員の方々の通勤需要はなくならないため、これらのエリアの土地価格は安定しそうです。

 

結論:売るなら?買うなら?

というわけで、神奈川県の土地価格は、

  • 職住近接の流れから、都内に近いエリアの人口が増え、住宅地の価格が上昇してきた
  • その一方で、都心から離れたエリアでは、人口の減少や、農地の宅地化も進んできたため、郊外の戸建てエリアを中心に下落が進む二極化が起こっていた
  • 新型コロナが長期化した場合でも、勤務地が変わるわけではないため、通勤と買い物や子育てのバランスの良い環境が求められるだろう

と言えそうです。

 

買うなら:商業地の周辺は様子見、それ以外は買い

新型コロナの影響が大きい商業地の周辺では、今後も影響が出ますので、坪単価が高いと感じられる場合には、まだ様子見の方がいいでしょう。

しかし、それ以外のエリアでは今が買い時の可能性が高いと思われます。

その理由は2つあります。

 

①土地価格の下落分よりも、待っている間の家賃の方が高くつく

例えば、坪50万円ぐらいの土地であれば、30坪でも1,500万円程度で買えます。

仮に数年で1割下げたとして150万円ぐらいしか安くなりませんから、その間の家賃を考えると、早めに買った方がトクになりますよね。

 

②異次元緩和で低金利の今がチャンス

また、現在は住宅ローンがかなり安いため、月々の返済負担が軽いのもチャンスです。

ですから、もし家を買おうと思っているのならば、土地価格が下がるのを待つよりも、金利が上がる前の今のうちに買うのがベストでしょう。

 

ただし、購入を検討する場合には、今後の金利上昇を想定しておかないと大変なことになるので、「フラット35」「10年以上の固定金利」でも返済ができるかどうかで予算を考えるべきでしょう。

 

非公開物件=安い物件

不動産を売る理由はさまざまですが、「周りに知られずに売却したい」という売主は一定の割合でいます。

そのような物件は、ネット上にも出回らず「非公開物件」として登録されます。

また、売主はあまり相談する相手を広げたくないため、まずは建てたメーカーに相談する場合が多いです。

 

非公開物件の実態

 

当然、このような物件は少ないお客さんにしか目にとまる機会がないため、相場よりも価格の安い可能性が高いのです。

 

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タウンライフ家造り

 

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売るなら:金利が上昇する前に準備を

土地価格が上昇した地点、下落した地点のどちらにおいても、これまでの金利低下は土地価格の追い風となっていました。

 

ですが、金利はこれ以上は下がりようがありません。

逆に金利が1%上がれば、ローン負担は15〜20%増えるので、不動産価格は確実に下がることになります。

 

そのため、よほど人気のエリア以外では、今が1番高い時期と言えるでしょう。

 

 

公示地価を信じると損をする?

この記事では公示地価をもとに解説していきましたが、公示地価は「その地域の平均的な価格」なため、実際の取引ではこれ以上に高く、または安く取引されることがあります。

 

例えば、茅ヶ崎市内に「十間坂(じゅっけんざか)」という、茅ヶ崎駅の西側の住宅地があります。

 

この十間坂の公示地価と実際の取引価格は、

  • 公示地価:65万円/坪
  • 実際の取引価格:47〜100万円/坪

と、公示地価の約0.7〜1.5倍で取引されていました。

最高価格は、最低価格の約2倍です。

 

【茅ヶ崎市十間坂の公示地価】

茅ヶ崎市十間坂の公示地価

  • 茅ヶ崎駅から1,000mの距離、徒歩約12分(1分=80m)
  • 196,000円/㎡ × 3.3(㎡/坪) =65万円/坪

(参考:国土交通省地価公示・都道府県地価調査)

 

【茅ヶ崎市十間坂の土地取引(過去2年間)】

茅ヶ崎市十間坂の土地取引

  • 徒歩10分のエリアで、47〜100万円/坪で取引されている

(参考:国土交通省 不動産取引価格情報検索)

 

このような感じで、全国の公示地価と実際の取引を調べてみたのですが、やはり公示地価と実際の取引ではかなりの価格差があることがわかりました。

 

同じ地域なのに、

「公示地価の3割増し、場合によっては2倍以上の価格で取引されている」

といった取引がゴロゴロ見つかったのです。

 

都道府県住所公示地価/坪取引価格/坪公示地価の何倍?
神奈川県川崎市中原区木月136万円160〜240万円1.18〜1.76倍
神奈川県相模原市緑区東橋本70万円17〜140万円0.24〜2倍
神奈川県藤沢市本鵠沼70万円58〜96万円0.83〜1.37倍
神奈川県茅ヶ崎市小和田68万円38〜120万円0.56〜1.76倍
神奈川県平塚市北金目29万円18〜35万円0.62〜1.21倍
神奈川県大和市中央林間85万円12〜130万円0.14〜1.53倍
神奈川県厚木市恩名58万円30〜100万円0.52〜1.72倍
神奈川県小田原市飯泉30万円24〜37万円0.8〜1.23倍
神奈川県鎌倉市材木座71万円4.6〜92万円0.06〜1.3倍
神奈川県秦野市南矢名27万円5.3〜31万円0.2〜1.15倍
神奈川県座間市相模が丘62万円58〜84万円0.94〜1.35倍
神奈川県海老名市河原口61万円74〜100万円1.21〜1.64倍
神奈川県伊勢原市伊勢原43万円56〜57万円1.3〜1.33倍
神奈川県綾瀬市小園45万円29〜53万円0.64〜1.18倍
神奈川県横浜市鶴見区豊岡町115万円200〜210万円1.74〜1.83倍
神奈川県横浜市神奈川区松見町85万円74〜150万円0.87〜1.76倍
神奈川県横浜市西区久保町80万円25〜98万円0.31〜1.23倍
神奈川県横浜市中区山手町213万円110〜270万円0.52〜1.27倍
神奈川県横浜市南区大岡115万円200〜210万円1.74〜1.83倍
神奈川県横浜市保土ケ谷区岩井町66万円20〜130万円0.3〜1.97倍
神奈川県横浜市磯子区洋光台64万円56〜98万円0.88〜1.53倍
神奈川県横浜市金沢区釜利谷東54万円32〜88万円0.59〜1.63倍
神奈川県横浜市港北区箕輪町103万円110〜180万円1.07〜1.75倍
神奈川県横浜市戸塚区品濃町89万円110〜140万円1.24〜1.57倍
神奈川県横浜市港南区大久保57万円200〜210万円3.51〜3.68倍
神奈川県横浜市旭区鶴ケ峰64万円97〜130万円1.52〜2.03倍
神奈川県横浜市緑区長津田68万円120〜130万円1.76〜1.91倍
神奈川県横浜市瀬谷区東野60万円56〜97万円0.93〜1.62倍
神奈川県横浜市栄区笠間74万円12〜87万円0.16〜1.18倍
神奈川県横浜市泉区和泉中央南73万円59〜95万円0.81〜1.3倍
神奈川県横浜市青葉区美しが丘97万円61〜120万円0.63〜1.24倍
神奈川県横浜市都筑区牛久保93万円110万円1.18倍

 

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市区町村別の土地価格はこちら

もっと、個別の都市について詳しく知りたい方は、こちらからどうぞ。

 

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